骨盤前傾は悪なのか

骨盤前傾は実は悪くない

女性の方が、股関節の臼蓋(きゅうがい)が浅いため、脳が不安定な状態をカバーしようとして、骨盤を前傾させる。
前傾させることで、股関節のはまりを深くしようとしているんです。


骨盤前傾=悪とは限らない

「骨盤が前傾しているから悪い姿勢」と思い込んでいませんか?
実は体が無意識にとっている“安定化の戦略”かもしれません。

特に女性では、股関節の臼蓋が浅い傾向があります。
これが、骨盤の前傾を通じて股関節の安定性を高めようとする背景にあります。


骨盤前傾イラスト

参考

  • “Sex differences in acetabular morphology”
    J Orthop Res. 2003.

「女性は男性に比べて臼蓋が浅い傾向にある」

  • “Pelvic tilt and acetabular orientation”
    Clin Orthop Relat Res. 2008.

「骨盤の前傾が臼蓋の被覆を増加させ、股関節の安定に寄与する可能性がある」


悲観しないで、ある程度許容する

「骨盤前傾=悪」という一方的な見方をして、悲観的になる必要はないんです。
体は常に“最適解”を探して動いています。
必要なのは、理解です。

ポージング・ボディメイクの観点としての当方の見解

私のレッスンでは、骨盤を無理に“ニュートラル”に矯正することはしていません。
なぜなら、もともと股関節の臼蓋が浅い方にとって、骨盤前傾のほうが自然で快適な場合があるからです。

痛みがない
日常生活に支障がない
疲れにくく、楽に動けている

これらを満たしていれば、「前傾だから悪い」とは判断しません。


▼ ただし、以下のような状態が見られる場合は注意が必要です

  • 腰椎が過度に伸展して腰痛を感じる
  • リブフレア(肋骨パッカーン)が気になる
  • 腹筋がうまく使えず、動作が非効率になって疲れやすい

こういったケースでは、骨盤や肋骨の位置関係を調整し直すことを考えます

でも、痛みがなかったり、生きてて支障を感じないのであれば、無理してニュートラルにする必要はないということです。

もし、リブフレアを治したいということで改善アプローチを進めるにあたっては、股関節の不安定性のリスクをある程度考えながら進めていくことになります。


▼ 最も大切な視点

「自分の体が楽に、効率よく動けるか?」がすべての判断基準。

骨盤の角度は、他人の理想や一般論ではなく、その人自身の骨格構造にあわせて判断していくべきです。


▼ 美容・ボディメイクの観点でも

「ウエストを細くしたい」
「骨盤前傾を治したい」

というご要望もありますが、
それはあなたの股関節の臼蓋の形を理解したうえで進めるべきではないか・・・と。


▼ できればレントゲンで確認を

骨盤の前傾 or 後傾が“合っているかどうか”を知るには、
レントゲンで臼蓋の深さ・角度を確認するのが最も確実です。

他人と同じようにしようとするのではなく、
「あなたの骨格に合った動き・姿勢を見つける」ことが大切です。


まとめ

よくある誤解実際の可能性
骨盤前傾=悪い姿勢安定性を高める戦略
必ず矯正すべき状況により観察が必要
見た目重視で前傾を治すべき股関節の形状に合わせて判断するべき

💡 大事なのは、自分の骨格に合った“楽で効率的な動き”ができているかどうか。
骨盤前傾そのものを否定する必要はありません。
矯正するかどうかは「不快さ」や「疲れやすさ」があるかどうかで判断し、
レントゲンなどで股関節の形を知ることも、的確な判断の鍵になります。


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